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【KAGAN FLASH!! 】#01「女王の帰還」

KAGANFLASHタイトル2_01
やっとはじまったよ!

【前回までのあらすじ】

月閃女学館でのうさちゃんケーキ軍団との死闘を辛くも制した忍達。
忍達は一度雪泉、雅緋、夜桜の三部隊に分かれ、それぞれの忍務を背負い旅立つ。
だがそんな彼女達に華眼の使徒の魔の手が迫っていた・・・

ケーキ・サバイバルだ!!



長い眠りから目覚めた陽の香りを風が運び、宙を舞う花びらが淡く幻想的に視界を彩る。芽吹くもの達の中でただ一つ、瞬く間にその艶やかさを散らしてしまう桜花の姿は、私達忍の生き様を表しているかのようにも見える。春の終わりと共に消えていくはずの花。だが、それも今はもう過去の話。―暦はすでに五月も半ば。しかし、今私の目の前には桜の花々が空一面を覆い尽くさんばかりに咲いている。淡い桜色だった花びらは日に日に強烈な桃色へと変色し、今では美しさよりも痛々しささえ感じさせるほどである。
「華眼の力は、この桜花の運命さえもねじ曲げてしまうと言うのでしょうか・・・」

華眼。それは我々忍が用いる傀儡の術の中でも最上級の術。特定の一族にしか扱うことが出来ないとされるこの術は人心はおろか、極めれば細胞組織さえも操り、生物の姿形さえも変えてしまう。桜は特に華眼の影響を受けやすい植物であるらしく、古来ではその力が術者の力量を上回る危険性を指し示す指針としても用いられていたのだという。だが長き歴史の中で華眼に対する警戒心は次第に薄れ、私達現代の忍がそのことを知ることになったのは今の惨事を前にしてようやくのことであった。

華眼を受け継ぐ一族の末裔である雲雀さんの力が暴走してからおよそ二ヶ月、華眼の影響はすでに東日本のほぼ全域に及び、そこに住まう人々を洗脳、事前に捉えた美野里さんの幻術を解析して生成したスイーツ細胞を持つ魔獣『うさちゃんケーキ』へと変貌させ続けている。華眼による傀儡の術の最大の脅威は、ある程度の修練を積んだ忍でなければ自他問わず姿の変化を認識することすら出来ないことにある。忍としての力を持たない一般人にとっては気付かない内に世界を作り替えられてしまう恐れすらあるのだ。そんな驚異的な力の存在を、私達は長い歴史の中に埋没させてしまっていた。今知り得ている情報は全て春花さんが遺した研究データによるものだ。春花さんは生前、雲雀さんと接触し様々な情報を得ていたらしく、彼女のクラウドサーバー内にはありとあらゆるデータが記録されていた。大半は他愛もない記録ばかりだったが、ある時期を堺に華眼に関する記述が連続するようになる。雲雀さんのバイタルデータから今では誰も触れさえもしないような過去の文献の解読結果まで、華眼に繋がる可能性がある膨大な情報が記録されていたのだ。この研究データ、そして春花さんが華眼の脅威に気付くことになったきっかけにこそこの事件の解決に繋がる糸口があると睨んだ私達は紫さんと未来さんを中心に、現在ここ春花ラボ第419番棟で解析作業を進めている。二人が無数のコンピューターと向き合っている間、私、雪泉と日影さん、生まれ変わった詠さん―今は小詠さんと呼ばれています―は一帯の警戒任務を担当している。雅緋さんのチームが敵の目を引きつけてくれているおかげで追っ手はさほど多くは無いものの、ゼロというわけでもない。紫さん達の解析が終わる前に本隊による襲撃を受けることだけは、なんとしても避けなくては―。

「ふと・・・まき・・・」
「・・・そうですね。風が心地よいですね、飛鳥さん」
それと私達のもう一つの任務、それは飛鳥さんの完全復活。月閃女学館での決戦で一度は力を取り戻したものの、再び心を閉ざしてしまった飛鳥さんをどうしたら元に戻すことが出来るのか。彼女の持つ真影の力は華眼の影響さえも覆す『散華眼』を発現させる忍の切り札と呼ぶに等しい力。私達の勝利のためには彼女の復活は無くてはならない。―否、それは私の本心では無いのかもしれない。私はただ、もう一度飛鳥さんに・・・。
「―戻りましょうか、飛鳥さん。そろそろ日影さんと交代しなければ」
「ふと・・・」
散らせて貰えぬ怨恨を訴えかけるかのような色を見せる桜の木々を背に、私は飛鳥さんの車椅子を押しながらその場を後にした。

「お疲れ様です、日影さん。その様子だと今日は交戦はなかったようですね」
「せやな。ただ小詠さんがどうしてももやしが買うたい言うてな、偵察ついでに近隣のスーパー全部廻るハメになってもうたわ」
「もやや!」
得意げにもやしの袋を掲げる小詠さん。貼られた値札に書かれた値段は、確かにこの周辺で売られているものより遙かに安い。
「さすが小詠さん。お買い物上手ですね」
「もやや~!」
「・・・で、解析の方はどうなん?」
「紫さんが一度仮眠に入り、今は未来さんが担当しています。ですが、セキュリティの突破がどんどん難しくなっているらしく・・・進捗はあまり芳しくないようですね」
「そか。まあこればっかりはわしらじゃあさっぱりやからな。二人の頑張りに期待するしかあらへんわ。どれ、未来に差し入れでも持って行ってやるか」

ラボの最奥、このラボのメインコンピュータ『Doll419』の前で四苦八苦している未来さんに日影さんがそっと近付く。
「お疲れさん。ほれ、差し入れやで」
「あ・・・ありがとう日影」
日影さんは未来さんの小さな手にそっとファブリーズを差し出した。
「あんまり根詰めすぎるのもよくないで。未来もそろそろ一回休んどき」
「うん・・・でもまだ大丈夫。この身体ならコレさえあれば睡眠はあんまり要らないみたいなんだよね」
「そか。さすがは春花さんが残してくれた義肢やな。わしの右腕も全く違和感なく動いとるしな」
右腕を捻ったり回したりしてみせる日影さん。雲雀さんの襲撃を受けた際に失われたその右腕はこのラボに隠されていた義手に置き換えられていた。
「燃料がファブリーズってところだけはようわからんけどな」

「未来さん・・・解析の状況はどうですか?」
「うん・・・それなんだけど」
少し笑みの戻っていた未来さんの表情がまた険しくなる。
「セクションは最終フェイズに近いと言っていいと思う。ただ華眼に関するデータはプロテクトが何重にもかけられてて・・・正直、一つでも解析出来る自信はないかも・・・」
「そうですか・・・」
「こんな時に春花様がいてくれたら・・・」
その時。背後からラボの扉が開く音がした。
「誰や!?」
「セキュリティアラートが鳴らない・・・?!そんなハズは!」
一斉に武器を構える私達。
「あらあら。久々に帰ってきたと思ったら随分なお出迎えじゃない」
「う・・・そ・・・」
無数の刀身と銃口を向けられても怯まない、女王の風格漂うその姿、その声。聞き間違えるはずがない。そこに立っていたのは、今私達が最も会いたいと願う人物だった。
「ただいまみんな。春花、舞い戻ったわ!」



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[ 2015/05/25 20:07 ] 閃乱カグラ | TB(0) | CM(0)
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■そぼろ
じと目とTFと神姫と百合を愛する
サークル「じと目団」の団長です。

閃乱カグラ4コマを不定期連載中。
紫ちゃんが大好き。
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